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![]() しあわせを呼ぶ福島(ふるさと)の石 これまで訪ねた多数の採石場の中で「最も無駄なく、計画的に、整然と採掘している」という印象を抱いたのが、この「滝根みかげ」である。福島県川内村の檜山(標高九九二m)で三十年以上採掘されている中目の白系花崗岩で、現在、潟Cシフク(本社=静岡市、望月茂樹社長)グループの一員である、潟tタバ(福島・川内村、望月隆司社長)が採掘元となっている。採石から加工、販売に至る全ての人が「滝根」を愛し、大切に扱っていた。 丁場も工場も「整理整頓」「安全第一」 通常、採石場に向う道路は蛇行や凸凹は当り前、すれ違いできないほど狭いことが多い。しかし、ここの道路は意外と広く、キレイに整備されていた。 「石を運び出す時、パンクを防ぐことができるのです。タイヤ一本とはいえ、年間に掛かる修理費となるとバカにはできませんから…」とフタバの望月社長は説明する。もちろん安全対策も万全だ。 採石場の総面積は約16万8000u(東京ドーム3.6個分)と広大で、現在、3ヵ所の丁場で作業中。青味のある特級が出る丁場が2ヵ所で、うち1ヵ所は山作り用。別の1ヵ所では白手を採っている。等級は、ムラや流れが全体の1割未満のものが特級、同2割未満が1級、同2割以上が2級となる。原石の出荷サイズは特級で平均100切前後、最大級で300切以上も可能だ。ピーク時に月産2万切(約550立米)を記録したこともあったという。 運搬中、石段に石を落としたが… 採掘方法は主にワイヤソー(伊・ペレグリーニ社製)を使用。小刻みに出荷するなら火薬を使った方が手っ取り早いが、1ヵ月単位ではワイヤソーの方が出荷量が多く、しかも余計なクズ石を出さず、無駄なく採れるのだ。取材当日は15×5×5mほどの岩盤を切り出していたが、その下準備から出荷までが約1ヵ月掛かるという。採石場には砕石プラントもあり、必要に応じて稼動・出荷している。採算的には赤字らしいが、そのお陰で廃石の処理費が少なく済んでいる。 石質は硬く、吸水率が低く、艶持ちが良いと評判だ。望月社長は「以前、取引き先の石屋さんが10尺くらいの石を運搬中、誤って石段に落としたんですが、それでも滝根は折れなかった、丈夫な石だと褒めてくれました」とエピソードを紹介する。販売網はイシフクを通じて日本全国に及んでおり、切石としては年間2万4000切ほどが出荷されている。なお1・2級は製品での出荷が中心となっている。 加工は妥協せず、最新設備を導入 加工拠点はイシフクときわ支店(福島・常葉町)と郡山支店(同・本宮町)の2ヵ所。特定メーカーに限定せず、様々な機械を導入しているので、まるで石材加工機の実演展示場のようだ。両支店でワイヤソーを1台ずつ所有するほか、ときわ支店の大口径3台のうち1台は横幅5mまでカットできる特注品だ。また郡山支店には大仲精機の全自動研磨機ロボワンに反転機や傾斜テーブルを付けて六面研磨を可能にし、さらに水垂加工・研磨を全自動化させたロボワンプラントも導入されている。 イシフクでは滝根みかげの研磨作業は基本的に八工程である。メタルが♯80、200、400、レジンが♯500、800、1500、3000で、バフ(スーパーファイン)で仕上げる。ただし、使用する機械や対象石材によってその選択は異なる。研磨盤は静岡本社では三和研磨、ときわ支店は大栄研磨が中心、郡山支店では大栄研磨を中心に数社のものを併用している。 「工場同士がお互いに技を競い合っているんです」と望月社長。文字通り「切磋琢磨」しているわけだ。今年は先ごろ閉会した浜名湖花博にも参加し、石の魅力を幅広くアピールした。 ◎潟tタバ 所在地=福島県川内村上川内日山501‐1 TEL=0247‐77‐3849 |
左・圧倒的な迫力で視界に迫る滝根みかげの採石場。総面積の約16万8000uは、東京ドーム3.6個分の広さ。なお一般に言う「東京ドームの面積」とは建築面積のこと。グラウンド面積はそれより狭く、1万3000uである![]() ワイヤソーで切出した岩盤をダンプで運搬できる大きさにさらに割っていく ![]() 横幅5mまでカットできる120吋の大口径(イシフクときわ支店) ![]() 六面研磨と水垂加工・研磨を全て自動化させたロボワンプラント(イシフク郡山支店) ![]() 住宅の石積み工事(福島・郡山市) ![]() 総重量40tの「石の門柱」(浜名湖花博) |