町の歴史は1200年―
小野町の歴史は意外と古く、この地に産業・文化が栄えたのは今から約1200年前の平安朝初期とされる。町内の諏訪神社には天然記念物(国指定)の杉の木(翁杉・媼杉)があり、その樹齢はおよそ1200年。また東堂山満福寺は大同2年(807年)の開山で、これも計算すると約1200年の歴史になる。今日まで杉とお寺が町の歴史を見守ってきたのだ。
実はこの満福寺、石材業者にお勧めの観光スポットである。小野町は別名「昭和羅漢の町」と呼ばれており、その羅漢さんがここに奉納されているのだ。境内の一角に様々な表情の羅漢さんが約四百体ほど並んでいる。これらは一般の人がそれぞれ自由な発想で描いた像容を、地元の石材店が制作したものだ。石は須賀川産の安山岩・江持石などで、中には原石から仕上げまで全て本人で作ったものもあるという。
喜怒哀楽のほか瞑想したり、悩んだり、頬杖やゴロ寝、鼻糞をほじる姿も。六・八・九羅漢は永六輔、中村八大、坂本九の3人の像で、他にゴルフやカラオケ、囲碁、お酒、グルメなど自分の趣味を託したものも多い。本来、悟りを開いた修行者なのに、何故こんなに人間臭いのか。それは現世の我々の業を一身に背負っているからだとか…。そのユニークで愛嬌のある表情は見てるだけで結構楽しめる。
またこの東堂山は巨大な岩の上に建つ鐘楼があることでも有名。下から見上げると、今にも鐘楼が滑り落ちそうに見える。改めてここが石の町であることを認識させてくれる。
石屋の思いを託して―
さて「浮金石」に話を戻すが、一番の悩みはキズやムラが多いこと。主な用途は石塔・外柵だが、作り直しも度々あるようで、今はほとんど製品で出荷している。手間や苦労が多いだけに「大材が採れれば職人をしてて本当に良かった」と喜び、「思い通りツヤが出たときは感動で満足した気持ちになる」(居纐石材店)という。苦労して育てた我が子の成長を見届けるような思いだろう。形は墓石であっても、まさしく「石屋にとっての羅漢さん」なのだ。目に見えないが、仏石にはこうした石屋の様々な思いがいっぱい詰まっている。
有名な建築物では東京駅、上野駅、そして現天皇ご成婚記念の噴水などに用いられている。
◎みちのく銘石会・居纐石材店 TEL=024‐973‐3150 |