はじめに
2つの地蔵岩(御在所山と礼文島)
2つの人面岩(三峰山と佐渡島)
立神岩と神威岩
石を立てただけの聖所空間
丸石
夫婦岩
割れた石・岩
揺拝石(岩木山と石鎚山)
奇岩と伝説(鯛島と親子熊)
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日本石巡礼「聖なる石に出会う旅」
須田郡司オフィシャルページ
2つの地蔵岩(御在所山と礼文島)

三重県の北西に御在所山という標高1212メートルの山があり、山頂近くには巨岩、奇岩などが点在している。この山までは、麓の湯の山温泉からロープウェイがあり、御在所岳にはスキー場がある。

湯の山温泉郷から登山道を登ること1時間半、突然巨岩の姿が見えた。この岩は「おばれ石」と呼ばれ、板状の巨岩が折重なり、その隙間は人が通れるほどのスペースである。 

さらに上がって行くとゴロゴロとした岩塊が現れた。自然の風化が作り出す見事な石の風景である。なかでも、一際目だったのが「地蔵岩」だ。高さ約6メートル、2本の石柱の上に四角の石が乗っていて、落ちそうで落ちない。

ある1ヵ所からこの石を見ると、まるでお地蔵さんが立っているように見え、何とも不思議な光景だ。御在所山の近くには、この他にも多くの奇岩が点在していて、強風が常に吹きつける山に、自然の神秘を感じさせる石の世界があった。





礼文島は北海道の最北端の街、稚内から船で2時間あまりの所にある。その島の南西、元地集落の外れに「地蔵岩」はあった。まるでナイフでスパッと切ったような切り通しに、高さ約40mもの巨岩が立っている。巨大な岩の剣が、天に向って刺しているようにも見える。

私は、なぜこの岩が「地蔵岩」と呼ばれているのかを知りたくて役場に尋ねてみた。すると観光課の方は、海から見ると、お地蔵さんが立っている姿に見えるのでその名が付いたという。特に信仰の対象になっているわけでは無いが、漁師の人々から目印として地蔵岩の愛称で呼ばれているとのことだ。

自然が作り出す石の風景は、時として人間の想像を遥かに超えた造形美を見せてくれる。

2つの「地蔵岩」は、形や名の由来は違うがその存在感はとても魅力的である。日本各地には「地蔵岩」と呼ばれる岩は、たくさん存在する。それは日本人の心の中に、人々を救うというお地蔵さんに親しみを感じているからではないかと思う。人間と関わりのある聖なる石たちが、私を呼んでいる。