![]() |
![]() |
|||||||||||||||||||||||
|
夫婦岩 | |||||||||||||||||||||||
二年ほど前、福岡県黒木町にある霊巌寺を訪ねた。この寺の背後には奇岩群があり、中でも日本最大級といわれる男岩は、高さ12mもの勃然と起立した自然の造形に驚かされた。 この岩は別名、珍宝岩と呼ばれていた。撮影の帰り、近くのお茶の里記念館に寄った。すると不思議なカレンダーを見掛けた。そこには、全国のいくつもの夫婦岩の写真が載っていた。さっき見た珍宝岩も収まっていた。 私は、さっそく黒木町役場に行きカレンダーのことを尋ねた。すると、役場の方は、全国夫婦岩サミット連絡協議会という組織があることを教えてくれた。事務局が三重県の二見町であると知り、後日、二見町(現・伊勢市)を訪ね夫婦岩サミットの話を聞いた。 ![]() 夫婦岩と呼ばれる岩は全国各地に存在する。大きさや形はさまざまだが、二つの岩に注連縄を掛けたものが多い。また、陰陽石も夫婦岩として祭られている。自然の造形を夫婦(陰陽)と見立てることは日本人にとって親しみがあるからだろう。 日本の海岸沿いを見れば、注連縄を付ければ、すぐ夫婦岩になってしまうような岩はごろごろしている。そのくらい、日本には夫婦岩が多いのだ。常に新しく付け替える注連縄は、夫婦という絆を象徴しているのかも知れない。 日本で代表的な夫婦岩と言えば、三重県の伊勢市二見町の夫婦岩だ。「昇る朝日の夫婦岩」として知られている。この夫婦岩は、沖合い700mの海中に鎮まる猿田彦大神縁の霊石、興玉神石を拝む鳥居の役目をしている。 「夕日の二見ヶ浦」として知られているのが、福岡県志摩町にある二見ヶ浦夫婦岩だ。古くから桜井神社の社地として、崇敬されている。 ![]() 伊勢に住む友人から、こんな話を聞いた。夏至の日に伊勢の夫婦岩では二つの岩の真ん中から太陽が昇る。一方、福岡の二見ヶ浦夫婦岩では、二つの岩の真ん中に夕日が沈むというのだ。 何年か前、友人は同じ夏至の日に昇る朝日と沈む夕日を見たという。彼は伊勢で早朝のご来光を撮影し、特急で名古屋へ移動し飛行機で福岡へ飛んだ。それから志摩町の二見ヶ浦夫婦岩に移動して夕日を撮影したという。現代だからこそできる、何とも贅沢な夫婦岩巡拝である。 神代の時代から伝説を持つ岩、神秘なる岩に人々は注連縄を掛け、崇敬な祈りの形を夫婦岩に託したのだろう。 |
||||||||||||||||||||||||