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奇岩と伝説(鯛島と親子熊) | |||||||||||||||||||||||
先日、東京都内のJR山手線に乗っている時、どこかで見掛けた奇岩のポスターが目に飛び込んで来た。そのポスターは、東北の旅を宣伝するもので、人魚らしきモデルが磯に座り、その背後に魚に似ている奇岩の風景があった。写真を見た瞬間、どこかで見覚えがあると思った。そう、それは昨年の東北、青森の旅で見かけた鯛島の光景であった。 日本各地に点在する奇岩には、様々な伝説を伝えているものがある。 鯛島は、青森県むつ市脇野沢の沖約1キロメートルに浮かぶユニークな形をした岩場の島である。まるで鯛が水面を泳いでいるように見えることから名前が付いたものだ。胴体と尾に別れていて、胴体の方は緑に覆われ、尾の方は険しい岩肌に海鳥の糞で真っ白に染まっている。この島には、古くから悲しい恋の伝説がある。今から約千二百年程前の延歴の頃、坂上田村麻呂将軍が蝦夷征伐のため、この地にしばらく留まっていた時、現地の美しい娘とねんごろになり、妊娠させた。しかし、都に帰るとき無情にも彼女を置き去りにしてしまった。将軍恋しと日夜泣き狂った娘は三つ児を生むと自らの命を断ってしまった。哀れに思った村人が都に少しでも近いこの鯛島に彼女を葬ったという。 それから、この島付近で船の難破が相次ぎ、女の霊が海蛇となって祟るのだと恐れられ、この島に近づく人はいなくなったという。その五百年程後、この地に難を逃れた藤原藤房卿がこの話を聞き、天女の像を自ら刻み、島に祷ったところ怪事が絶えたとの伝説がある。 現代でも鯛島のワカメは女の髪の毛だといわれ、このワカメをとると海が急に荒れると今でも採ることをきらっているのだという。 一方、北海道の南西部のせたな町には、「親子熊」と呼ばれる岩がある。 ![]() 大昔、飢餓に苦しむ親子の熊が海に転落し命を落とした。それを見ていた海の神様が親子熊を哀れんで、親子の深い愛情を交わす姿をそのまま岩に変身させたといわれている。 親子熊岩を見ると、子熊が親を慕う仕草が何とも可愛らしい。この岩は、せたな町の観光パンフレットに載っているくらい町のシンボル的な存在になっている。 何かに似ている岩は、人々によって様々な伝承を生みだす要素がある。それと同時に、景勝地として人々の心を和ませ、その地域の観光資源として多いに役立っている。 |
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